第12話 少女に忍びよる黒い影
その夜。
人数は複数。
足音を殺しながら
部屋の
侵入者は男三人。
大きな
男たちは部屋の奥へと進み―――。
「あれっ? いないぞあいつ?」
意外そうに声をあげた。
少女がいない。どこへ行った?
男たちがキョロキョロと部屋を見回している所へ、おれは声をかけた。
「こんなこったろうと思ったぜ」
言いながら手前にいた男の後頭部へ一撃。
あと二人。
「て、てめえどうしてコッチにいるんだ!?」
声を出したのは昼間おれに
「お前らが
善人でもねえ連中がわざわざいい部屋を二つも用意してくれた。
ひょっとしたら寝ている
そこでおれは入り口のすぐ横にあるユニットバスに
チャンスを見逃すほどお人よしではないおれは、
あと一人。
「一度うしなわれた信用ってのは、そうそう取り戻せないものさ」
「チクショー!」
男はおれにつかみかかってきた。
そのままおれを
筋肉質なだけあってなかなかの怪力。
だけど残念ながらこいつは力だけが
「えいっ!」
女の子の可愛いかけ声と同時のことだ。
後頭部を鉄パイプでガツン! と
クローゼットの中にかくれていた紫織がおれたちの乱闘にまぎれてそーっと忍びよっていたのである。
侵入者から身を隠すためクローゼットに閉じこもる。
こんなのは
しかし気づく前におれが後ろから攻撃しはじめてしまったものだから、男たちは一度のバトルで二回も「
「ナーイス紫織ちゃん」
「えへへ」
勝利の
紫織をさらうつもりで用意した道具を自分たちに使われるとは、本人たちも思ってなかったことだろう。
大量の洗濯ものを入れるデカい手押し台車まで用意してあったので、おれはそれを使って男たちを外へはこぶ。
さてあのジジイになんと言ってクレームをつけてやろうか……?
などと考えていると、さらにもう一人の男が近づいてくるではないか。
ザッ、ザッ、ザッ。
気配を隠そうともせず堂々と足音を立てて近づいてくるその男を見て、おれは全身に緊張がはしった。
マズイ。武器もなしにこの男と戦うのは、さすがに
「……っ」
紫織が怖がっておれの背中に隠れてしまう。
怖いもの知らずに突っ込んでいくよりはずっといいが、だからっておれにどうしろというのだ。
芝浦はおれたちの手前数メートルの所で足を止めた。
「ウチの
そう言いながら芝浦は
「
「おっと、と!?」
小石くらいのなにかをおれに投げて寄こす。
それは車の
「あんた……?」
「ついてきな、案内する」
短くそう言うと芝浦は車の隠し場所まで連れてきてくれた。
「こんなことになっちまって悪かったな。ウチの連中は想像以上に
……どうやらこの男だけは、人間らしい
おれは取り戻した愛車のボディをなでているうちに、この街の状況を聞いてみる気持ちになった。
いわば『北風と太陽』ってやつかな。高圧的なやつの言うことなんか聞く耳持たないが、まともな対話のできそうなやつの意見は聞いておきたい。
「いったいこの街はどうなってんだい? 強がっているくせに弱っちいっていうか。弱いくせに
芝浦は
それも
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