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本日はどうやらクリスマス・イヴらしい。街中がイルミネーションで彩られ、洋楽のクリスマスソングを聴きながら過ごしているが、季節感はまるでない。

世間一般では恋人と甘い夜を過ごすとか、デートするとか騒がれているが、それどころではない。仕事納めして、さっさと麺の食い倒れしたいというのが本音である。

――炎上覚悟で言うけど、子供の残さない人って種として恥ずかしくないの?

なんてクリスマス・イヴに言われたらそれなりに傷付くのではないかと思われる言葉に対し、生命としては恥ずかしい。常日頃の家事も旦那に頼っているから恥ずかしい。けども仕事して税金納めているから、仕事人として、人間としては恥ずかしくないよ。理性があるんだから、生命にばかり目を向けるものではないよ。

と素面で答えるばかりである。相変わらず外野が煩い。

そんな事を考えながら、ごろりと床に寝そべって、というか突っ伏して、あと一日残った仕事日をどうするか考えていた。

「おい」

旦那、瑠衣の声が聞こえる。何時も返事をするに値しない言葉には返事をされない為、私も起き上がる事なくそのまま黙っている。

「動かぬ死体のまま寝るんじゃねぇ」

ぐりぐりと、背中の中心を押される感じがする。否、押されているのである。流石に痛くなって来て、私は首だけを曲げ、押してきた張本人の顔を見る。

「今日さ、クリスマス・イヴなのよ」

返事の代わりに瞬き一つ。

「ケーキとかお祝いとか、世の中のカップルとか夫婦は盛り上がってんだろうなって」

さらに瞬き一つ。其から今度は淡々とした口調で返事が帰ってきた。

「何だ。お前は気にしていたのか」

「あーそうじゃなくて。なんかめっちゃ社会人だなって」

そう社会人なのだ。季節感とかイベント事とかに頓着しない。全ては締切に左右される。気が付いたら一年が終わっている。ただそれだけ。それだけが全ての毎日である。

「それでもそれで社会が回っているなら誇れば良い」

「やーさしー。おんぶしてお布団……。あー去らないで〜」

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