畦道にだけ現れる白い煙――それは異世界と現実を結ぶ“未完成の門”だった。達也は、煙の向こうから像のように姿を結ぶ少女クララと出会う。彼女はまだこちらへ来られず、門も不安定なまま。無理に越えれば互いの存在が崩れる危険があった。それでもクララは門の音を伝え、達也はその声を受け止める。煙の揺らぎをきっかけに動き出す、静かで切ない異世界往復の物語。
19時間前に更新