五月三十日
声をかけると自分ルールを決めた緊張のせいか、何度も繰り返し折り直してしまった。
手汗も、額からしたたり落ちる汗も折り紙と相性が悪いので仕方なく席を立った。
参加歴だけは長いお姉さんが「こっち来て教えてよ」と手招きしてくる。
ペットボトルを手に取ったまま、初心者が固まっているテーブルへ向かった。
先週よりはうまく会話できた。
今日わかったこと。
新人さんの名前は岩橋
報道番組のコメンテーターとして世に出ているらしい。
俺の大学で外部講師をしているらしい。
そして、俺はどうやらその講義を登録しておりいつも寝て過ごしている。
岩橋さんに「僕も最初は気づかなくて」と指摘されたような記憶だ。
そこから記憶は曖昧だ。
おそらくだが、手に持ったペットボトルを理由に離れて席に戻っていた。
ただ作業にはなかなか戻れず、頓服を服用した。
折り直し回数 記録不可
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