諦めない！恋のトライアングル、新学期編

月神天音

中学2年生になった4月、新しいクラス名簿が昇降口に貼り出されていた。桜庭陽葵は、親友の七海心春と一緒に人混みをかき分けて名簿を見た。心臓がドキドキする。恋の行方を左右する、運命のクラス替えだ。

「桜庭陽葵……あった！2年B組！」

「心春！一緒だね！」心春も同じ2年B組だった。2人でハイタッチして喜んだ。心春はやっぱり今年も同じクラス。これは心強い。

問題は結城真宙くんだ。昨年は隣のクラスで、たくさんアピールしてきたけれど、今年はどうだろう？名簿を目で追っていくと、

「結城真宙……2年A組」

「ええっ、別々になっちゃった……」陽葵は少しガッカリした。去年と同じだよ……。

「ま、隣のクラスだし、部活も一緒だよ！」心春が陽葵を励ます。

教室に入り、新しい席に着くと、担任の先生が入ってきた。

「みんなに紹介する。今日からこのクラスに新しい仲間が増える」

ガラリと教室のドアが開き、一人の男子生徒が入ってきた。背が高く、少し茶色い髪で、モデルのような美少年だ。教室がざわめく。

「青山律です。よろしく」

青山くんは、窓際の席、なんと陽葵の隣の席に座ることになった。心臓がドキンと跳ねる。新しい風が吹き込んできたようだった。

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