第30話 パラレルワールド

【おはよう!早く行かないと】


【ああ、ふぁー…何処に?】


※バシッ!※


【いってー、叩くなよ!】


【りくと、着替えてないじゃん】


【昨日いろいろあってさ、おい、優奈!勝手に脱がすな】


【急いで、何で卒業式に寝坊なのよ!シャツは?】


【そこに…】


【これ?シワになってるじゃない!もう】


※ドタドタドタ!※


【お姉ちゃん!遅刻しちゃう。私、卒業式の準備なんだからね。何して…えっ?嘘?卒業式なのに…お姉ちゃん!先行ってる!】


【ちょっと、美香!違うってこれは!】


まぁ、状況が状況だな。仕方ない。


※バシッ!※


【痛いって!何で?】


【りくと!勘違いされちゃったじゃない!】


【俺、悪くないだろう!】


【とにかく急いで!下は?どこ?】


【いいよ、先に行っててくれ】


【そうは行かないの!卒業式!】


※バタン※


【もう、朝から何騒いで…りくと!?優奈ちゃん!?】


【おばさん!これ着替えです!お邪魔しています。今日卒業式なので】


【卒業式!?りくと!何で言わないの!】


俺達は何とかギリ卒業式に間に合った。


【よう!見たぞー、卒業式も夫婦で】


【夫婦じゃねーよ】


【照れるなって。夫婦みたいなもんだろ?】


【決めつけるな!付き合って間もないのに夫婦にするなよ】


【優奈ちゃんが奥さんで何処が不満だ?何でりくとなんだよ…】


こうしてドタバタした卒業式を。



【りくと、約束!連れていって】


【この格好で?着替えてからでも】


【あっそうか!】



俺達はそれぞれ戻り、着替えてから、


【何?大袈裟じゃない?】


【寒いだろ!しっかり来て来いよ】


【今日は気温高め。春ー!って感じ】



電車に乗り、近くの海岸に。


【なぁ、優奈、何で海なんだ?】


【憧れていたの。卒業式の後に大好きな人と海って。それとー、んー、見えないかな…】


優奈の見る方向を俺も。


 何だろう?島みたいな、本当によく見ないと解らないけど、


【優奈、あれのことかな?】


優奈は驚いて、


【嘘!?やったー!りくとが先に】


思いっきり飛びついてきて、


優奈を抱き止めると転んでしまった。


【何だよ、いきなり】


【りくとが見つけてくれた!願いが叶った】


【何の願い?】


【へへっ!内緒】


【教えろよ、気になるだろ】


【今度書いて入れておく】


 優奈のいつも身に付けている貝殻の入った小さな瓶のペンダントを見せてきた。


ずっとお気に入りで優奈は持っている。


大切な物なんだろうな。






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