男女比1対100の彼女たちの世界で
ののじん
第1話 天城隼人
物心がつくのは2,3歳らしいが俺の時は3歳だった。物心つくと同時に思い出していくことになる。俺には前世があるのだと。
人物像ははっきりとは思い出せないが世間一般の常識などは覚えてる。その記憶と照らし合わせると差異がある。
同じ日本でもどこか違う世界だった。
一番の差異は男女比が100対1で女性の方が多い。それに伴い貞操感も逆転しているようだ。男性は性欲が衰えているし、女性に対して一定の恐怖感や忌避感があるらしい。
この世界の男性は最低三人の女性と子供ができるまで恋人にならなければならない。これをパートナー制度というらしいが、これは義務らしい。
一方結婚は一夫多妻制をとっているようだが形骸化しつつある。男はパートナー制度で子供を作ると女性と距離をとるようになるらしい。
子作りとは別に精子提供の義務もあるようなのだがこちらで受精するとなぜか女性が生まれる割合が多いらしい。
俺の今世の名前は
歯を磨きながら鏡に映った自分を見る。切れ長で知的な印象を受ける瞳で、眉は整っている。髪は黒髪のツーブロックでトップは長めのセンターパートになっている。やや大人びて見えるだろうか? 正直言ってイケメンだった。自分の顔とは思えないほどだ。
家族は母親の
母親はかなり若く美人だ。俳優業をやっていて、大人気女優だ。
子供を産めたのはたまたまパートナーに選ばれたからだと言っていたが、間違いなく美人だからという理由も要因の一つだろう。ちなみに俺は母親似らしい。
母親は今年で30歳らしいが正直もっと若く見える。正直前世での価値観で行くとストライクゾーンど真ん中だ。
「母さんと血が繋がってるから母さんと結婚できない」
「あら嬉しいこと言ってくれるわね、でもあんまりそういう事いうと、母さんハヤトの事襲っちゃうかもしれないわ」
正直襲ってくれるというのならばやぶさかではない。
「そんなことより早く朝ごはん食べてしまいなさい、学校に遅れるわよ」
「はーい」
ダイニングの椅子に座る。つけっぱなしのテレビからニュースが流れてくる。
『人気アイドルグループ、エターナルブルームの新曲“Moonlight Garden”がランキング一位に』
「エターナルブルーム新曲出したんだー」
この世界アイドルは女性を対象にしているようだがぶっちゃけ男性の俺が聞いてもいい曲を出していると思う。アイドルというだけあってかなりの美人ぞろいだ。俺は面食いだから、こんな美人達がパートナーや結婚相手だといいんだけど、さすがにこのクラスの美人は男性にも人気だ。
エターナルブルームは17歳のグループでグループ全体のイメージカラーはホワイト×ゴールドでそこにそれぞれのイメージカラーが足されるといった感じである。それぞれの印象は華やか、クール、可憐、太陽、癒しといった感じだ。
もし、いい男になればこんな美人が寄ってきてくれるだろうか?
どうせパートナーは選ばなければならないのだしせっかくなら美人がいい。
そして俺の価値観は前世寄りで女性に忌避感はない。何なら精通もしているが性欲の衰えなども感じない。むしろ持て余しているくらいだ。なので正直遊びまわりたい。
パートナーと結婚相手は何人作ってもいいのだからどうせならたくさん作るか。
目指せ美人ハーレム!
そんなアホなことを考えながら朝食を食べる。
「うん、今日のご飯もおいしいよ母さん」
「ふふ、ありがとね」
ご飯も食べ終わり、支度をする。ランドセルを背負い忘れ物がないか確認し、行ってきまーすと声をかけ扉を出る。
「おはようハヤト!」
「おはようレン、今日も寒いな」
「そうだね」
声をかけてきたのは同じクラスで同級生の中で唯一の男子、佐久間蓮だった。
「レン寝癖がついてるぞ」
「あぁうんありがとう」
レンは柔らかく親しみやすい印象の男の子だ。細身で華奢だが健康的で、女子からはかわいいと言われるタイプだろう。
「あと二か月で卒業だけど中学校はどこ行くか決めてるのか?」
「どうせ行くならハヤトと一緒のところがいいかな、ハヤトはどこ行くの?」
「うーん和敬かなぁ」
「和敬かぁ、たしかあそこってもともと女子校だったよね、いいの? 他所の男子は絶対に行かないんじゃないかな。男子の多い
「目的は、結婚相手探しだよ」
和敬は女子校だったが元は超が付くほどのお嬢様校だ。今でも名家や資産家の娘などが通っているらしい。そこで結婚相手を探す予定だ。パートナーを作ればお金を国から貰えるがそれだけで暮らしてはいけない。お金持ちと結婚出来ればお金の面では心配なくなるだろう。
「ハヤト君結婚願望あるんだー」
「あそこは金持ちも多いから結婚相手を見つけれたら遊んで暮らせるぞ」
「あぁそういう事か、なんだか現実的だね。僕もそうした方がいいかもな」
「お前もパートナーだけでも今のうちから選んでおかないと、後々好きでもない相手と子供を作らないといけなくなるぞ」
「うーんいい女子見つかるかなぁ?」
「いい女子を見つけるために女子の多い中学に行くんだよ」
「なるほどね」
そんなことを話していると
周りの女子たちは俺たちを見つけるなり黄色い声援をあげながら挨拶してくる。みんな元気があっていいね。
みんなにおはようと返しながら教室に入っていく
さぁ今日も退屈な授業が始まりそうだ
4時間目の授業が終わり給食の時間に入る。授業はつまらないから学校給食が唯一の楽しみだ。
今日のメニューはご飯、
いただきますの挨拶をして食べ始めと女子の一人
「ハヤト君鱚の唐揚げ好きなの?」
「うん、というか学校の給食はどれも好きだよ」
「私魚料理って苦手なの、ハヤト君代わりに食べてくれない?」
「いいよ」
俺がうなずくと小夜は待ってましたと言わんばかりに鱚の唐揚げを俺の口元まで持ってくる。
「はい、あーん」
この子やるな! 男子にあーんをするなんて結構勇気がいるだろうに。この子の勇気を称して乗ってあげよう
「あーん」
「やった!」
「あ! 小夜ちゃんずるい」
「小夜ちゃんいーなー」
ちょっとざわついたけど先生が叱る
「そこ! 何してるの? だめじゃないハヤト君、女の子に簡単にそんなことするなんて、そういうことは心に決めた相手とじゃないとだめよ!」
「先生、さては処女ですね?」
「そういう事言うんじゃありません!」
そんなこんなで昼食が終わり昼休みに入る。
俺とレンはいつもの場所で落ち合う。場所は屋上へ続く扉前の踊り場だ。俺たちはここでよく駄弁ったり本を読んだりしている。
最初は図書館とかだったんだけどあそこは女子の目もあるしあまり大きな声で話せない。ここは女子も近寄らないので、軽い秘密基地みたいで気に入ってる。
今日のレンは本を持ってきたみたいだった。レンは本を読みながら話しかけてくる
「世間一般的に男性は女性に忌避感があるみたいだけど、僕はハヤトのお陰で忌避感はない、これはいいことだと思ってはいるんだけど、世間一般から見て僕たちやっぱり変──だよね」
「俺たちは変じゃない、いいかよく聞け、俺たちは『特別』なんだ」
「特別か……いいねそれ!」
この世界では確かに異質なのかもしれない、だが女性たちにとっては俺たちみたいなのがいた方がいいだろう。俺たちは女性たちにとっても特別なはずだ。
「だからできるなら沢山恋人を作るんだぞ。“汝、人を愛せ、汝を愛するために”だ」
「誰の言葉?」
「俺だ」
「えぇ……まぁでもいい言葉だと思うよ。自分を愛すために人を愛せってことだよね」
「だからお前もたくさんパートナー作れよな」
「うん、頑張るよ」
そんなことをしゃべりながら時間をつぶしていると昼休み終了のチャイムが鳴るのだった。
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