2ペア 俺たちの推し

 俺・久保レオは、中3の頃から日比谷翠のことを好いている。(※彼が初めて彼女と同じクラスになったのも、中3です笑)


 理由としては、美人でスタイルがいい上、頭もいいし、自分と違ってスポーツもできる。本当に絵に描いたような、文武両道の優等生。それでいて、誰にでも優しいし、無邪気で、明るくて、細やかな気遣いができている。


 彼女は人に寄り添いながらも、人の折り合い地点が見えている。心の手術が上手だった。よく生徒同士での喧嘩が勃発する特進クラスでは、少し特異とも言える存在。そんなこともあり、中学生のうちから、彼女は特進クラスで一目置かれる存在となった。


 本人は大した事ないと思っているようだが、そもそも、特進クラスにいるだけで、相当すごいのに、ピリピリとした空気感を一瞬で変えてしまう話術や彼女のカリスマ性。かといって、人を貶めたりとか、悪いところを包み隠そうともせず、ありのままで接してくる。


 父の仕事の関係で、人の黒いところばかり見てきた俺が、そんな彼女に恋心を抱くのには、そう時間はかからなかった。


 一方、クラス...いや、学校中で起きた変化がある。学校全体で流行っている、自分のクラスのクラスメイトを推す”クラ推し”は彼女が原点だった。本人には知られず、こっそり推すのが普通らしいが、ファンの間では、推し語りが止まらないらしい。


 彼女のファンは少し他のファンより熱量が熱い。男女関係なく、推されている。俺の周りでも彼女のファンはいた。俺はというより、彼女のことが好きだったから、あんまり関わりを持とうとはしなかった。


 そのうちの一人が、辻陽菜だった。ひょんなことから、彼女に俺が持っていた彼女の写真を見られてしまい、恋をしていることがバレるかと思ったが、俺の推しだと勘違いしてくれた。俺は日比谷のファンに串刺しにされなくて、安堵した。


 その日から、俺達は毎日のように、彼女の良さを語り合った。一度、日比谷のファンの集まりに参加しないか、と誘われたが、それはなんだか違う気がして、丁重に断った。それは、高校生になった今でも続いている。


 また、辻のおかげで、日比谷に近づくことができた。辻と日比谷は小学校から一緒らしい。周りから見ると親友のように見えるが、本人が言うには、一方的に辻が日比谷を追いかけているらしい。そうは見えないけれど。


 そして、文化祭で日比谷と準備も当日もずっと一緒に居られることが確定した!!!本当に、辻さまさまだな。


 確定、と言う言い方は、ちょっと嫌だけど、本当に嬉しい。彼女の周りには沢山の人がいる一方で、中学生の頃から、こういうイベント事には一人でいることが多いのに...


 彼女の懐に入れてもらえたようで嬉しかった。

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