カニになりたい男

メガうどん

カニになりたい男

カニになりたかった。

家庭を持っていたので離婚した。

息子には何も伝えなかった。なぜならカニだから。


私は甲羅を身につけた。

中古の甲羅だが不満はなかった。

大きなハサミが付属していたから。


次第に準備を進め身体をスプレーで紅色に染めて横歩きで進んだ。

蔑んだ目など気にせずに。


何時間たったのだろう。

足の感覚がコンクリートから砂に変わった瞬間

海岸に着いたのだと察した。


仲間の姿が見えたので安心して

砂の中に身を潜め目を閉じた。


太陽の光だと思って目覚めたが

それはやけに眩いLEDだった。

周りを見渡せば仲間達が調理されている。

かに道楽の調理場だった。


私は安堵した。

カニとしてここに連れてこられたのだから。


しかし料理長と思われる人物が

私を処理しようとした時

彼の手は盛り付け皿ではなく

ゴミ箱に向かっていた。


私にカニ味噌は詰まっていなかったから。

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カニになりたい男 メガうどん @Megaudon66

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