「怖い話があるんだけどさ、聞いてくれよ」

『いいね。俺そういうの大好きなんだよ。なになに？』

「この前さ、家の近くにいつのまにかインドカレー屋さんが出来ててさ。行ってみたのよ」

『インドカレー屋ってほんといつのまにか出来てるよな。それでそれで？』

「結構、普通の店でさ。テーブルに座ってメニュー見てたら、いつものでいいかって聞かれたんだよ」

「んで、それでいいよって言ったんだけどさ」

『なんでだよ。まあ外国の人から見たら日本人なんてみんな同じ顔に見えるのかもな』

「で、ちょっと待ってたらカレーセットみたいなのが出てきたんだよ」

『どうだったの？』

「普通に美味かった」

『今のところお前が怖い話だけどな』

「違う違う、ここからなんだ。ああいう店の人ってやたらフランクに話しかけてくるじゃん。んで、その日も店員がめっちゃ話しかけてきたのね」

『あーあるなあ、そういうの』

「それでふと、いつぐらいからやってるんだろうと思って聞いてみたんだよ」

「そしたらそのインド人、昨日からだよって」

『ちゃんと怖い話じゃねえかよ』

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