【 異世界へ左遷地獄のおじさん。イノベイション3DジェネレーターのAIプロンプトでまったりライフ!…って前にフクロウになりギャップ萌え!? 】

紙一絵巻

プロンプト1【 神渡しー1 】



 <パッ>


 パソコン画面の明りが間抜けな男の顔を照らし出す。

その目にとある電子文字が写り込み、無音で言ノ葉が流れる。


              < ピロンッ >

               サ イ テ キ カ ヲ コ エ …

            <フォン>

              ア ナ タ ノ…



俺の名前は、建御雷(たけみかづち)一朗(いちろう)。

珍しい苗字だろ!名前はメチャ平凡だが。


大学を卒業した後、人数だけは異常に多い平凡なブラック企業へ就職し、社会人として人生を送っていた。


だがある日、上司の不正を被らされてしまい都会の片隅に有るボロビルへと左遷。

しかも近くから時折聞こえてくる<パタパタパタ>というデシベル攻撃が頭を貫く。


そこに十数名左遷された者が集められ、放置状態で鬱や病気を発症して辞めていく。


そんな劣悪な環境下で、俺は何をやって平常心を保ってきたのか?

それは自前のパソコンを持ち込み、暇つぶしで生成AI遊びだ。


だが俺は生成されるモノに

ただ、思い描く ” プロンプト “ を作れたかどうかだ。


そう、満足感や達成感。

これらで得られる自己効力感や肯定感が、俺を生かしてくれてる。


ちなみに生成AIのプロンプトの事を簡単に説明すると、AIに指示を出すための命令文や質問文のこと。指示書って感じかな。


反骨精神全開で2年程過ごした時、ふと人生を振り帰る出来事がおこる。

左遷された部屋の扉に突然貼られた貼り紙。


[ 飛び出せ! 明るい未来が待っている!! ]


この文章、心が壊れた俺には死んであの世へ行けと聞こえてくる。


そして逃げ場の無い地獄へと追い詰められ自暴自棄へと突っ走る。

今考えれば、あの貼り紙は俺に対する


“ 死のプロンプト ”


だったんじゃないか……。


            <ポ─ン>


現世では死へと追い込む誹謗中傷。

異世界なら死へといざなう魔法の詠唱。

昔で例えると祟りや呪いの類いか。


そんな事を考えながら何故か屋上に立っていた。


冷たい風が身体を突き抜け流れていく。

その時ふと頭に浮かんだ言葉が…。


” 神 渡 し “


とある場所へと神々を導く風らしい。


        <ホワァ─ッ>


でも俺にはこの世の最期に誘われてる様に感じる。


屋上で柵を越えボーっと街並みを眺めていると、デシベル攻撃してくる物体が空中で揺らめいてる。


<パタパタパタ…>


試験飛行中の空飛ぶ車だ。

騒音に悩まされながらもふとある事に気付いた。


    <パンッ>


仕草や表情、言葉を発すれば相手に伝わり反応がある。

自然の景色や風も相手に伝わり感情や仕草となって返ってくる。


そうか、世の中プロンプトだらけなんだ。


<ピンッ>


と理解が進んだ時、空飛ぶ車が揺らめきながら俺に突っ込んで来た。


<ドガァ━━━ン>


秒で死んだ……。


没年:20XX年 12月

名前:建御雷(たけみかづち)一朗(いちろう)

享年:32歳 独身 ♂ チィ〜ン!




          <キュゥン>



     <ジ…ジジッ>



        <フォン>



    〚 神 渡 し 承 認 〛


          ・


          ・


          ・


          ・


          ・

              

         <ジッ>



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