「茶室の情」と「政治の理」の二重進行が強い。 しずく庵の密室感・身体感覚(逃げ場がない/異常緊張)と、老中裁定・将軍薨去による審議保留が、同じ“息苦しさ”として響き合っていて、作品の統一トーンになっています。
弓削之介の「若さのリアル」が出ている。 義姉の件では倫理的にアウトな方向へ転びかねない一方、本人の羞恥と自己嫌悪が過剰に生々しいので、単なる艶話ではなく「未熟さの事故」として読める。
会話の“とぼけ/主導権争い”が面白い。 内藤の直球要求に対して、「訴えたかの?」から入って主語と形式を奪い返すやり取りは、政治劇として気持ちいい。