（第二景）Mマーケット前の通り道

小雨のパラつきが続いている。午後遅く空は灰色の雲に覆われている。が、明るみに向かう兆しも所々にのぞく。Mマーケットエリアには立木が多い。初夏の葉群れは濃い緑色を成して拡がる。店先の長い庇の縁から雨だれがポツリポツリとおちる。石畳が雨に濡れている。平屋の信用金庫のウインドウに、笑み顔した若い女の大判のポスターが貼ってある。そのガラスの壁面を、傘をさして歩く背の高い少女の影が移動して行く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る