働いてたら幼馴染に会いました

かかとっとん

プロローグ

「あんたまた皿割ったのー?」


「...はい、すみません」


「これで何回目よー?」


「ごっ、」


「五回目でしょー?」


いや言おうとしたよ。早いって。


そう。俺は中川 風太(なかがわ ふうた)。高校一年生になったばっかり。


今?何が起こってるって?説教だよ説教。このバイトの店長にね。


皿割っただけでこんなうざくなるんだなこいつ。まあ五回目だけど。


「あんた次割ったらほんとにやばいよ?もう、言葉で表せないくらい」


「はい。すみませんでした」


どういうことだよ。クビ以外だったら表せるだろ。えクビ!?


「そうだよクビだよー?」


なんで聞こえてんだよ。


「すみません。次は気をつけます」




「はぁ...」


結局、途中退勤させられたよ!


「ふっざけんな!...あ、すみません」


そうだった。店だった。




「ただいまー」


「あら今日早いけどどうしたの?いつもより一時間くらい早いじゃない」


「なんかまた皿割って途中退勤させられた」


「もうあんたまたー?何してんのよー。ま、夕飯作るから待ってて」


「いや大丈夫、店で食ってきた」


「もうー、」


すまないな母さん。




「ほらあんた起きなさい〜?」


「んーあと十分...」


「今七時よ?何を言ってんのもう」


「七時!?やばいやばい!」


終わった。詰んだ。




「遅刻だぞ!」


「すみません...」


「なんでこんなに遅れた!?また寝坊か!?」


「はい...すみません」


「次寝坊したら日曜親御さんに学校来てもらうからな?」


「えぇそれだけは!」


「じゃあ遅刻するな!」


「はい、すみません」


なんでみんなの前でキレる必要があるかね、


「中川朝からキレられてんねー笑」


「ほんとだよー、あんな怒鳴る必要あるか?あいつ」


「ないない笑」


こいつは同級生の太田 志希(おおた しき)。俺の大親友って感じだな。


「はいじゃあ起立!気を付けー礼!よろしくお願いしまーす」


一限目から数学とかマジついてないわー。


あれ?


「あれ、やばいやばい。無いなー、」


数学の教科書無くて詰んだー!


「おい中川、どうした」


「すみません、教科書忘れました...」


はい、詰んだ。よりによってなんで担任が数学の教師なん?


「何してんだお前は!遅刻した上に教科書忘れる!?あぁ!?」


「すみません、すみません」


いやマジで何回すみませんを言わなきゃならない?ああ俺が悪いのか、


「中川、お前今日反省文な。八百字」


そんなに書くことねぇよ!はぁ!?




「はいじゃあもう帰れ」


「はい、」


なんか結局一時間くらい反省文書いた気がするんだけど。ふざけんなよ?

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