【カクヨムコンテスト11短編参加作品】寝取られ女とアマチュア男

石のやっさん

第1話 愛奈は寝取られる。

「ゴメンね、私邦明くんと付き合う事にしたから」


「悪いな、お前の彼女貰っちまって、だが抑えられなかったんだ!グズグズしているお前が悪いんだぜ!」


「そう……」


学食で飯を食っている俺こと、泉純也の目の前に来て、幼馴染で俺の彼女の三浦愛奈がが、チャラチャラしたガラが悪く評判の悪い男、松岡邦明と腕を組みながらやってきて、言ってきた。


俺は目を瞑った。


『またか』


「これはなんの冗談だ……愛奈、お前は俺の彼女だよな!」


「確かにそうだったけどね、純也と付き合っても最近はときめかないし、私達って幼馴染から長い事付き合っていたじゃない? いい加減飽きたのよ、それに松岡くんの方がカッコ良いし優しくしてくれるから、ゴメンね!」


愛奈とは小学校からの付き合いで今は20歳。


同じ東昭大学に通っている。


そろそろ結婚を真剣に考えてプロポーズをしようかな。


そう考えていた矢先にこれだ。


俺は愛奈を愛している。


だが、相手は俺じゃなくても良いと思っている。


俺は愛奈が凄く好きだ。


それはもう、好きすぎる位に好き。


もし、彼女が本当に幸せになるのであれば……喜んで身を引いても良い。


本当にそう思っている。


「松岡、お前凄くモテているだろう? なんでわざわざ俺の恋人に手をだすわけ!」


同じ大学だし、今後凄く気まずい。


それに此奴は柄が悪いがワイルドで危ない感じが女子受けして凄くモテている。


態々、愛奈に手を出す必要は無い筈だ。


女をとっかいひっかいしている奴が、愛奈を愛している……本当だろうか?


「悪いな好きになっちまったんだ仕方ないだろう? それに幼馴染に胡坐をかいて愛奈をないがしろにしていたお前が悪いんだぜ」


「そうか、わかったよ……それじゃお幸せに……愛奈は俺の幼馴染だ幸せにしてやってくれよ! それだけ守ってくれれば文句はない」


「分かった」


「純也」


愛奈の家とは家族ぐるみのつきあいだ。


家も近所だし、かなり気まずい。


だが、愛奈は俺の彼女だが、婚約をしていたわけじゃない。


これで終わりでも仕方が無い。


俺は寂しい気持ちを押さえながら、食いかけのアジフライ定食をかたずけ学食を去った。


『愛奈を幸せにするのは俺じゃなくても良い』


ただ、それだけを考えながら…….

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る