【狂叫の墓王】
【狂叫の墓王】
かつて、武勇に優れた小国の王が居た。
王は戦いが起こると常に先頭に立ち、全ての戦を勝利に導き、遂には長く続いた戦いを終わらせた。
そんな王には、利き腕がなかった。
ある戦いで敵の罠にかかった王は、利き腕を失っていたのだ。
しかし王は使い物にならなくなった己の腕を引き千切り、それを武器として敵を打ち殺したそうだ。
その戦い以来、王は武器を取り落とす事がないようにと願を掛け、斬られた己の腕の骨を加工し愛剣の柄に用いた。
それ以来終戦まで、王は利き腕を失いながらも、武器を取り落とす事はなかったそうだ。
終戦より一月もたたぬうちに、激しい戦いの無理により、王は若くしてこの世を去る。
王の刃は王の亡骸と共に墓に葬られたのだが、時代が移り変わったある日、王の伝承に引かれた商人によって彼の墓は暴かれる事となった。
棺の中に骸はなく――骸そのものでもある剣が、静かに横たえられていたという。
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持ち手から刃に至るまで、全てが骨で形作られている巨大な方刃の大剣。
剣の腹の部分は誰の物かも分からないほど複雑に混ざり合っており、無秩序に開いた空洞は、振るうたびに泣き叫ぶような風斬り音を生み出す。
漏れ出した死者の叫びは生者の五感を侵し、やがて正気を奪うという。
そしてそれは、使い手であっても例外はない。
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