「不在」

ぽふ、

第1話

シー・・・・・・、静かにして? いい子だから。


ねぇ。大人しくして。


夜の闇が、辺りを、スッポリ包んでゆくと・・・・・・。


『ねー? なんで居ないの?』


私の心のなかで、小さな私が駄々を捏ねてる。


深い眠りから目を覚まし、て。


彼の不在を、訝しむ。


『彼の居る所まで、連れてって。ねぇ・・・・・・』


彼女の、よく透る声が、心のなかで響いてく。


まだ声の、大きさの調節も、できていない。


舌ったらずな彼女の声。


胸の鼓動が、ユックリ、時を鳴らして。


ん。


すこし痛む・・・・・・?


彼のこと、待ってる。


思いが散らばって、それでいて、それぞれがコンパクトに凝縮されている、閑散とした、心、で。


時の鼓動が、ユラユラ揺れて。


『会いたいの。ねぇ』


彼女の声が、響いて、く・・・・・・。

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