名前も知らない小さなお花。お日様を浴びて風にそよぐ。
むいん、と根を張る大地。揺れる小さなお花の影を背負い、大地は命をぽかぽか広げます。
全てが整っていて、揺り椅子でそれを眺める窓越しの午後――。
かつて、それは塵でした。
46億年前、星が生まれ、39億年前、初めて雨が降りました。
5億年前、土が生まれ、1億3000万年前、初めてお花が咲きました。
でも、そのずっと前、かつては全てが一つでした。塵も、命も。
お花も人も、あなたも私も。幸せも不幸も、かつては一つでした。
あなたの目で見る世界は不思議。
私は私を生きました。
あなたの目で見た世界は不思議。
生きて生きて生きて、あぁ私は私を生きました。
おかえり。ありがとう。おめでとう。さようなら。
全部混ざって、一つ――。
とっても素敵な短編です。ぜひお読みください。
体はあなた、心はわたし
動かしているのはわたし
思っているのもわたし
わたしの体はあそこ
でも、わたしの心はここにある
生きているのはわたしの心
死にそうなのはわたしの体
周りが見るのはあなたという存在
宿っているのはわたしという存在
わたしの心をあなたの体に寄せていく
いつかあなたが戻るときのために
事故を機に心が入れ替わってしまった女性の葛藤を描いたヒューマンドラマです。
主人公の内面描写を中心に進行していくのですが、非常にテンポがよく、一気に読み進めてしまう作品です。
「入れ替わり」という珍しくない設定なのですが、一味違った「入れ替わり」が楽しめます。
この物語をこの文字数でまとめている部分に作者様の小説力の高さが伺えます。
無駄がそぎ落とされ洗練された、濃密な作品という印象を受けました。
少し不思議な心温まる作品でじんわりとしてみてはいかがでしょうか。
職場では、比較的若い子たちと話す機会が多いい。
これが野郎と喋っても、自分達がガキの頃と大差ないな。と思ったりするが、
女性はそうはいかない。
女性の若い子とは、本当に住んでいた世界が一緒だったのか!? と感じてしまうほど、
我々が幼かった頃より多様化複雑化しているように感じる。
(これは普段若い子相手に学校で教えているレビュワーの奥さんも言っていることなので、多分そうなんだと思う)
本作は、大人になった自分が、ふとした出来事をきっかけに、
突然二〇代の体と入れ替わってしまうという作品である。
まあさすがに、老化というものを感じずにはいられない。
自分の場合、ちゃんと体を気遣い始めたのが三十代に入ってからなのと、若い頃は逆に体を酷使してこなかったのであまり体力的な老いは感じないが……
個人的な話をしてしまった。
これも、主人公が女性となるとまた話がまた変わってくるのだろう。
どこかのコピーライターがこんなことを書いた。
若さは綺麗の何%?
これ聞いて、ああなるほど。と思わずにはいられない。
それは、人間の美しさは外見では測れない。
心の美しさ、姿勢の正しさ…… ……だけでは悲しいかな美しさは測りきれないのが現実なのだ。すなわち、やはりあるのだ。若さの壁は。
まして女性ともなると。
四十代、仕事はできるけれどズボラな女性祥子さん。
二十代、祥子さんを慕っている、リア充で若さを満喫しているカナ。
この二人の体が、とある事情で入れ替わってしまうという物語。
これはー、色々考えさせられましたな。
一番考えさせられたのはラストです。
若干衝撃のあるラストが待っております。
このラストについて、誰かと話し合いたいのですよ……。
ですので読んでいただきたく。
ご一読を。