仮想現実に浸る2055年から、死体の継ぎ接ぎで作られた美貌の人造人間として19世紀風の異世界宮廷へ転生する。天才の脳や拳闘士の肉体を持ちながら、中身は冷笑的な現代人である主人公タケルの思弁的な独白が特徴。隻眼の令嬢シルファらとの交流を通じ、美醜や身分、魂の在り方を鋭く問う。革命の足音が迫る中、彼が「怪人物」として歴史に関わる様を描く異色ファンタジーだ。哲学的な独白や重厚な世界観、耽美な人間ドラマを好む読者におすすめできる。