映画感想四方山話
神凪儀 天水
第1篇 半分の月がのぼる空 2010年
原作が好きでレンタルして映画を見たが、原作勢から言わせてみるとなにこれ?
というのが第一声となるだろう。
裕一と里香の話はずいぶんと原作から離れていつつも映画としてはちゃんとしていたが、夏目の存在が非常に原作からかけ離れていた。
原作を知らずに映画を見た人にとっては前提情報が無いため楽しめただろうし、夏目の正体を知った時はおそらく驚いたと思う。
実際に映画のレビューを見ると感動した、面白かったという感想が多いため世間的には楽しめた作品だと思う。
そして原作を知っている人にとっても夏目の正体は驚くようなものだった。
まさか裕一の将来の姿が夏目だったとは誰も想像しなかったと思う。
私の所感では原作を知っていて原作が好きで映画を見たため失望感の方が強かった。特に原作といっても電撃文庫作品を呼んでいたため三重弁で話す登場人物に慣れなかった。
また、劇中砲台山に行くエピソードがあるが、あの時の里香が心臓に持病を抱えているにも関わらずかなりアクティブに動いていてこいつ本当に弁膜の疾患あるのか?
と思うところがあった。おそらくこれは作品を作るにあたって、先天性心臓弁膜症について触れられず心臓病とだけ述べられていたためだと考えられる。
原作を知っている人間からすればそんな活発に動けるわけないだろうと思うが映画単体で見るとそんなものかと納得できる。
また、原作とは違い最初からつかさとみゆきが付き合っていたり、山西に彼女ができて間男にならなかったりしている。
原作を再現した映画というより原作をモチーフにした別の作品と捉える方が納得できる内容だった。
ただ、唯一良かったのは原作8刊の文化祭の話っぽいエピソードが映画で出てきたことだろうか。文化祭の劇の内容は違っていたが、裕一が最後にビンタされるところは原作と同じだったのでそこは再現したのか、と妙に感心した。
結論として、映画自体は面白くなかった。特に原作を知っているため失望感が大きく、尚且つ私自身実写映画があまり好きでないことも相まって440円払ってまで見るような作品ではなかったと思う。
完全に原作を知らない人に向けた作品だと感じた。
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