反AI論者の逆襲、100年後のAI全盛時代に勝利した?
まめたろう
第1話「100年後の2125年、世はAI全盛時代」
この物語は今からおよそ100年後のAI全盛時代に、AIに抵抗し成功した方の物語です。あなたもこの物語を見ればAIに抵抗し大きな成功を掴めるかもしれません。
特にAIが苦手な人はしっかり読んでいただければと思います。(もちろんフィクション・虚像ではありますが)
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2125年、世はAI全盛時代となっていた。
AIの全ての処理速度が人間以上、思考も柔軟になり善悪の判断も可能、何から何まで人間以上と言えた。だから人間がやることなど何もない。全てAIにやらせればいいのだ。
それは2125年を待つまでもなく、とっくにAIは人間を超えていた。
オセロ、将棋、囲碁、その他ゲームもAIに勝てる人間は誰もいない。勝てるどころか拮抗することさえも不可能。
それはそうだ。過去の人間の手は全て学習済み、最初の一手から最後の一手まで多数の分析がすでに終了。過去の手ならば瞬時に最善手を判断できるのだ。勝負になるはずもない。
いつの時代までか人間も頑張っていたらしい。しかしわずかなミスも許さないAIに勝てる道理はなかった。今やAI同士の対戦しか見られなくなった。
今回の頂上決戦もAI同士の戦いだ。そして激戦が終わった。
「まいりました。あの一手は凄いですね」
「ありがとうございました。あれは、最近開発した一手です」
もちろんAI同士でも勝敗はつく。その高度な戦いはすさまじい。相手の読みを外すためにいろいろな奇手も開発された。
ただ、奇手でその場では勝利できても瞬時に研究され対策され廃れる。新手の開発、そして瞬時の対応力が全ての時代となっていった。
およそ100年前の2025年頃(すなわち現代)とは全く違う。
ロボットもAI頭脳で開発が進み飛躍的に進んでいた。人間の頭脳がロボットのAI頭脳に全くかなわないのは言うまでもない。計算処理、記憶力、正しい思想など適うはずもないのだ。
またAI頭脳とロボットを組み合わせることで頭が良いだけでなく人間以上の身体能力をもち、そしてきめ細やかな動きをもするようになった。すでに人間は頭脳だけでなく動作、行動面でも全く対抗できなくなっている。
ロボットの外側に着る人工皮膚も作られ、まるで人間のような見た目のAIロボットも完成し世の中で普通に生活している。
普通に会話できるから疑似恋愛も可能だ。人間同士の恋愛などもすでに廃れた。
そうしてロボット技術が浸透しスポーツまでもがAI同士の戦いに移行してしまった。人間同士のぬるい戦いは見られなくなってしまったのだ。何もかもを高度なAIとロボットがこなす、そんな時代である。
そんな時代に生まれたのが川瀬壮一(かわせ・そういち)である。
しかし、彼はそのAI全盛の波に付いていけなかった。
その時代に生まれたものは誰もがAI、AIロボットを上手に使いこなしていた。それは当たり前だ、自分だけでやるよりも他のAIにやらせる方が早いのだ。
しかもAIは複数同時に走らせることもできる。
更に人間しかできないとされていた分野もAIが凌駕した。愛想のよい営業用AIロボットなどもあるのだ。人工皮膚を着ているので見た目は人間そのもの。
そうしてAIは多岐に渡りなんでもこなせた。当然のことながら自分が苦手なことを無理に頑張る必要もない。AIに全て任せればいいだけ。
AIを使うのが苦手な川瀬はうまくいかず上司から何度も怒られた。
「川瀬、お前は仕事が遅い。なんでAIを上手に使わないんだ!」
「すいません。他のものにやらせるのが苦手なんです。どうしてもその仕上がりに納得できなくて」
そうしてAI任せが苦手な彼が落ちぶれていくのは当たり前のことだった。このままでは無能の烙印を押されクビになる。
こんな真面目に頑張っているのに何故成功しない?他の適当にやっている人間に何故負ける?
そしてAI使えるだけでほとんど努力せずに成果を出すことがそんなに偉いのか?
川瀬は努力が成果に繋がらず打ちひしがれた。そして自分の生きる道はないのか?彼は真剣に考えるようになった。
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