多感な思春期に出会った少年と少女がおりなす恋愛・家族愛を繊細なガラス細工の様な心情を描いた作品ハンカチを用意してお読みください。
3つの世界が織りなす、心のグラデーション 本作の舞台は、単なる「異世界」ではない。「前を向いて歩きなさい」という言葉が、時に暴力のように感じることはないだろうか。 大切な何かを失い、時間が止まってしまった人にとって、必要なのは励ましではなく、静かに心を休める「聖域」なのかもしれない。本作『銀河が降りてくる、ラベンダーの海』は、そんな読者の心に寄り添う、40話にわたる救済の記録。言葉の響きを味わいたい読者には特にオススメの一作です。
静かな気持ちになります
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新学期の喧騒を嫌う少年と、掴みどころのない少女が織りなす「逃避行」の物語だ。日常の境界線を越えていく高揚感と、ふとした瞬間に垣間見える少女の危うさや繊細な体温の変化が、叙情的な筆致で綴られている。カイロやおにぎりといった些細な小道具が二人の距離を縮める演出も秀逸で、等身大の少年少女による一夜限りの冒険が、春の陽光のような瑞々しさと共に描かれている。春の陽光の中で揺れ動く少年少女の瑞々しい逃避行であり、淡い恋の始まりや叙情的な冒険を好む読者に推奨する。