二千年を超えて、この物語は問いかけます。「君たちは『人の掟』を、守れているだろうか」。歴史の荒々しい頁に、ぽつりと輝く一粒の光。 それは、戦争のなかでさえ、慈悲を選べる人間の尊さを、静かに、しかし力強く語り継ぐ。この逸話を読めば、古代の丘から届く風が、今日の胸にそっと触れるはずです。 そして、心のどこかで、優しさがまだ可能だと、信じたくなる。それは、優しさが決して無力ではないという、静かで、熱い確信です。
読んでいてしみじみ思います。素晴らしい作品をありがとうございます。
この作品で描かれる男の名は、マルクス・フリウス・カミルス。ローマの偉大なる歴史家に「ローマ第二の建国者」と称えられた偉人にして英雄。軍事的な勝利よりも「人の掟」を重んじ、略奪を禁ずる。略奪を望む兵士との確執、父との約束に揺れる心。それらが、淡々とした筆致で丁寧に描かれています。歴史に詳しくない方でも読める、珠玉の短編です。
この作品は、ローマ第二の創建者と名高いマルクス・フリウス・カミルスの有名エピソードを『奇跡』と讃えるものです。カミルスはローマ軍を率いて、敵対都市ファレリイを攻めようとしますが、ファレリイ側の人間からとある『卑劣な取り引き』を持ちかけられます。カミルスがそれに対してどう向きあうのか、そしてカミルスが何を選択するのか。その選択は誰に何をもたらすのか。ここには、21世紀を生きる我らにとって、学ぶべき何かがあります。どうかお読みください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(181文字)