主人公は5歳児なのに、中身は大人。
それもそのはず、前世の記憶を持つ大人が転生しているから。
転生系にありがちな、前世の記憶で無双!なのではななく、世界観はそのままに、前世の記憶(建設業)で少しずつ、街を豊かにしていくお手伝いをしています。
その知識を5歳児が持っているのは不自然だからと、大人に隠れてコソコソやってるのも良かったです。かわいい。
続編が投稿されたら、ぜひとも読みたいです。
さて、この作品の魅力は、この世界観と、主人公の一人称視点の軽快さだと思います。
中の人が現代人なので、言葉遣いやネタが、あるあるな感じで理解できます。
作者さんのノリで、楽しんで書かれているのだろうなと思いました。
やはり、楽しんで書かれた作品は、読者にとっても楽しめるものなのです。
もちろん、作品を生み出すことは、楽しいだけではなかったかもしれないけれど、私にとっては、読んでいて楽しかったし、最後まで追うことができて、良かったと思える作品です。
本作は、単なる「転生×文明改革」という枠にとどまらず、五歳児という制約を背負った主人公が、年齢の壁にぶつかりながらも社会そのものを動かそうとする物語です。
衛生管理、都市構造、循環型資源、浄化槽構想、制度設計、交渉術――
そうした“社会を動かす設計図”が丁寧に、しかも非常に分かりやすく積み上げられていく過程こそ、本作最大の魅力だと感じました。
一方で、串焼き肉への執念やおねしょネタといった軽やかなコメディが物語の緊張をほどよく緩め、重くなりすぎない絶妙なバランスを保っています。
情景描写やバトルシーンの臨場感、そして個性豊かなキャラクターたちの存在感も印象的です。
笑いながら読み進めているのに、気づけば世界の設計図を覗かされている――そんな知的な驚きと楽しみを深く味わえる、とても魅力的な作品だと思います。