「架空世界の経済学」という、新しくも奇抜なアイデアが魅力的に、しかし素人にも判りやすく描かれており、とても胸躍る読後感でした。
キャッチコピーにある「ピカレスク経済戦記」という表現が言い得て妙で、どこか影のある主人公が、異母妹である女主人や各々特技を持つメイドたちと共に、悪徳貴族に立ち向かう様が痛快です。
貴族らしく直接的な暴力は振るわない……が、策を弄して権謀術数で敵を罠に嵌める。では陰湿なのかというと、そうではない。胸のすく爽快さがあります。
気持ちが良い、いや実に気分が良い!
「戦記」というからには続編も期待していいのでしょうか。彼らが悪漢(ピカレスク)貴族となった契機や、続く展開がとても気になる短編でした。