アイスと日常

小さい冷蔵庫には五、六個のアイスが重ね、置かれている。

誰かが開け、アイスを手に取り去っていく。

そしてまた誰かが来て開け。


「あ――――――ッ!無い!イルーゾォッ!!」


「んだよ、メローネ、うるせぇぞ」

ひょっこりと鏡から顔を出す。

「お前また俺のアイス食っただろ!また無くなってるぞ!」

「食ってねぇよ、つーかさっきまで任務に行ってたんだが」

「はぁ!?じゃあ誰が……!」

「そういや今日任務無かったのは……」


「……ホルマジオッ!!」

「あ、やっべ」

陰から見ていた男がボソッとつぶやく。


「てめぇホルマジオ!俺のアイス返せ!!ただでさえ最近めちゃくちゃ暑いってのに!!」

そういい、胸ぐらをつかむ。

「待て待て、落ち着けってさ~、名前書いてなかったしよ~?」

「自分のじゃねぇのに食うおめーが悪い、諦めろ」

鏡から身を乗り出したまま呆れたように呟く。

「ひで~~ッ」



補足:「自分のじゃねぇのに食うおめーが悪い」と言ってたイルーゾォだけど「また俺のアイス食っただろ」っていうメローネのセリフからイルーゾォは常習犯ということが分かります(ホルマジオも)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る