物語の立ち上がりから、時代の冷たさと人の息遣いが同時に伝わってくる掴みの強さに引き込まれました。
風の描写や季節感、土地の荒涼とした空気が丁寧に積み重ねられていて、読者を無理に説明で導くのではなく、自然とその時代に立たせてくれる文章だと感じます。
特に、歴史の転換点を「大きな出来事」ではなく、日々の寒さや貧しさ、名前を捨てた男の内面から描いている点が印象的でした。
静かな語り口なのに重みがあり、読み進めるほどに世界へ沈んでいく感覚があります。
この先、彼らが何を選び、何を背負って進むのか。
派手さに頼らず、文章の力で読ませる作品だと思いました。続きを楽しみにしています。