この作品の魅力は、海外旅行の経験が豊富というだけではなく、
著者の鈴懸さんが、その土地の空気や人の気配、時代の変化まで含めて覚えていること、
そしてそれを押しつけがましくなく、軽やかに語れることにあると思います。
読んでいると、世界各国を巡ってきた人生経験の豊かさに驚かされます。
どの土地でも「知らないものを面白がる」姿勢や、「違い」を拒まず受け入れる感覚が一貫していて、そのお人柄がとても素敵です。
語学力の話さえ笑い話に変え、失敗談も愛嬌にしてしまう。
そんな鈴懸さんの旅は、国紹介ではなく“生きた経験”としてこちらに届いてきます。
世界を見てきた人の視野の広さと、現地の人と自然に関わっていけるコミュニケーション力、その両方が感じられる楽しいエッセイです。
ふと、ホッとしたい時間に、世界へ思いを馳せる素敵な時間を過ごしてみませんか。
おすすめです。
世界は広い。面白い。
この作品は、まさにその言葉を体現した短編旅行エッセイ集です。
作者の鈴懸さんが実際に経験した「郷に入っては郷に従え、自分の身は自分で守れ」をモットーとした海外での出来事を、軽やかで自然な文体で綴っています。滅入ってしまいそうなトラブルも、コミカルに、でも優しく笑いに昇華させるのが上手い。
生き生きとした情景描写と、作者さんの温かい視線が印象的で、読み終わったあと「遠い国がふっと近くなった」ような感覚になります。時系列がバラバラなのも、気ままに読めるコンセプトに合っていて心地よいです。
鈴懸さん、素敵なエッセイをありがとうございます。