男1
男は走った。
脇目も振らずに走り続けた。
男は家に着いた。
男はメガネをかけた。
男は鏡を見た。
男の肩の上に文字が見えた。
「私は特にあの女を愛していなかった。」
男は成る程と思った。
つまり、あの涙は本当に嬉し涙だったのだと。
そして、こうも思った。
「あの女に時間を奪われた、と。」
男は怒りを覚え出した。
男は女を探しに外に出た。
男は女を見つけた。
女は知らぬ男と共にレストランにいた。
男は女を問い詰めた。
横の男が間に入ってきた。
女は男のことを知らないと言った。
男は怒った。
怒り狂った。
男は女を殺そうとした。
間に入っていた男が止めにかかった。
男はテーブルの包丁を手に取り、相手を刺した。
相手が倒れても、女が泣き叫んでも、刺し続けた。
警察が呼ばれた。
男は警察をも刺した。
そして、撃たれた。
出血死するまでも包丁を持ち、暴れ続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます