たとえ派手には楽しくなくても、ごく普通にそこに居られて、
ささやかなりとも落ち着ける居場所。
そこはまるで薄くぼんやり光ってくれる泡のようで、
時に内側へ心を包みこんでくれたり、
またある時には外側から様々な光を少しずつでも見せてくれたり、
いつも小さな落ち着きと幸せを〝彼〟にくれていたのだと思えました。
だからこそ脆くも大切で、せめて少しでも長く守り続けたい、
少しでも一緒に居続けたい、
〝他の色んな人には面白みがなくても、彼にはとてもましな安らぎ〟だったのかな、とも。
読後もしんと印象に残る、「教室で守りたいもの」のきれいなお話でした。
他人が去った後の学校の冷たさ。
思春期のモヤモヤを水槽の中に浮かべ、それを覗き込む二つの視点が、長い長い時間と共に集約される。
私自身、なんとなく自分の幼少期を思い出してしまう。
あの頃の、あの教室にいた顔。
思い出せる顔、思い出せない顔。
そんな誰しもの心の中に潜む、影のような記憶のかけらを、冷たく、温かく、思い出させてくれる。
きっとこの作品を読む者によって、その記憶は悲しくも、楽しくもある。
大事な気持ちを思い出させてくれるような、愛おしい作品でした。
改めまして、私の企画にご参加いただき、ありがとうございました。
まさに、私が出会いたかった、そっと優しい作品でした。
今後も、お互いに執筆を通して、誰かの心を擽る作品を描いていければと願います。