無に帰す
いのしし
エピローグ
20XX年7月、埼玉県〇〇市の住宅街である男の遺体が発見された。
その男の名は、蔵之宮壮太、32歳。現場は木造建築の古いアパートの一室で、玄関のドアは内側から施錠され、部屋はとても荒れており、検査したところ薬物反応があった。
しかし体には至って損傷は見られず、刺殺や撲殺などの殺害ではなく、強盗などではないことは確かであった。
しかし警察は他殺とみて捜査を開始した。なぜかというと、まずは部屋が荒れていること、そしてドアが内側から施錠されていることが不可解であったため。
事件の真相を調べるため、彼の家族や友人、近所の者が関係者として集められた。その中の一人に、勝功康太という刑事も入っていた。
彼は最近刑事になった若手で、かなり優秀であった。彼は壮太とは中学、高校が同じで同じ趣味を持っており、同じ部活でもあった。
彼の学生時代は壮太と歩んできた。彼はあまり人の関係性を重視しないため、小学校のころはいつも一人で遊んでいた。
しかし壮太と出会ってからは人との関係を重視するようになり、高校を卒業するころにはかなりの友人ができていた。
そして壮太は第一志望の大学に進学し、彼は警察学校へと進んだ。
そして壮太は大きな会社に就職し、彼も警察官へ、そして刑事へとなった。
ただ彼らも友情は忘れず、月1で食事に行ったりしていた。
壮太が亡くなったと聞いたとき、彼は最初は信じられなかった。彼の性格はとてもいいやつで、誰とでも仲良くでき、人との争いは嫌う性だった。
だからこそ、信じられなかったのだ。この事件は他殺として捜査されており、彼はトラブルを起こすような性格ではなかったからだ。
そして、康太は親友の仇をとりたいと思ったのだが、康太は東京のほうの刑事で、埼玉のほうの事件には基本的に私事で関与することはできない。
なので、彼は一人で捜査することにしたのだ。誰が彼を死に追いやったのかを知るために。
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