永獄の守り人

如月いさみ

　どれほど酷い罪を犯しても決して死を賜ることのない国があった。

　イシュールという国で人を殺しても罪人が死を賜ることはなかった。

　イシュールは南国の離島でそんな国だから多くの犯罪が起きていただろうと想像されてきたが伝説や伝承でイシュールが犯罪王国と言う記述はなかった。

　反対に犯罪はほぼ皆無で人々はリアンナ王妃の下で穏やかに暮らしていたという。

　１０００年前に島の中央にある火山マルスの噴火で一瞬のうちに滅びるまでは、であった。

　イシュールの伝説は交流のあった国々に残り多くの財宝がその島に眠り、その中の一つオーパーツを手に入れたモノは世界の王になれると言われるものがあったといわれる。

　多くの国はそのオーパーツを手に入れるために探検隊を派遣し当初こそ財宝を掘り出すことに成功していたがその『オーパーツ』を見つけ出すことはかなわなかった。

　国が伝説は伝説だと諦めた頃に今度は多くの冒険者がロマンを求めて島へと訪れ掘り返した。

　そこで見つけ出されたのが……イシュールの王城後に見つかった巨大ダンジョンであった。

　しかしダンジョンには多くの魔物が住み着き最下層への行く手を阻み多くの冒険者が命を落とすことになった。

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