僕の加護が強くするのは、真の仲間だけだった

はっち

「追放されて悔し涙のまま寝てしまった僕は幼馴染の夢を見た」

「アルト、お前クビな」


 ダンジョンからの帰り道、パーティリーダーのガルムは急にそんなことを宣言した。


「えっ?」


 急なことで一瞬理解が遅れたが、ガルムの後ろでニヤニヤと笑みを浮かべている他のメンバーの顔を見て、なんとなく察した。


「で、でも、僕の加護は……」


「んなもん、もう俺らにはお前の加護なんざ必要ねーんだよ。もう俺らは”十分に強い!”ってお墨付きももらったしなあ?」


 ガルムが後ろのメンバー二人に目配せをすると笑い声が起きた。


 初耳だった。こいつらは、僕のいない間に、登城してたってことだ。


 皇帝がくれるお墨付き、その中に僕は入っていなかった。連れて行ってもくれなかった。


「まあ、そういうわけだから。ああ、今装備してるもんはくれてやるよ、餞別代わりだ」


 ガルムはついでとばかりに少しの金貨の入った袋を足元に投げてよこした。


「じゃあな」


 何の感慨もないどころか、ガルムたちは笑いながら去っていった。



「……そんな……いったい僕はどうしたら……」


 僕の中にあるスキルは「加護」


 これは神様がくれる祝福の一つで、レアなスキルではあった。


 ガルムと初めて会った時はあんなにも重宝してくれたのに、自分たちが強くなったらいらない、ってことか。


「……くそ」


 涙が溢れた。

 金貨の袋を拾い上げる自分の姿はひどく惨めに思えた。


 あちこちから視線を感じた気がした僕は、逃げるように自分の宿へと走った。


 *


 宿の部屋に駆け込んだ僕は、そのまま粗末なベッドに倒れ込んだ。

 その拍子に溢れた金貨が鈍い光を放っていた。

 悔しさと涙が込み上げてくる。


「こんな加護……!」



 血が出るほどに唇を噛む。

 どんなにレアなスキルだとしても、使えなければ何の意味もない。

 上に行くスキルじゃない、それはわかっていたけど、とにかく悔しかった。


 枕に顔を埋めて絶叫してみても怒りは収まらなかった。

 泣きながら何度もベッドを殴りつけても収まる気配はない。


 そうこうしているうちに、僕は疲れ果てて寝てしまった。



 ――久しぶりに夢を見ていた。いつも一緒だった、幼馴染のあの子。


『これ、すごい』


 モンスターを軽々と倒して、あの子は振り返って笑った。

 傷一つない自分の身体を確認しながら、ぶんぶんと腕を振り回している。


『アルトが一緒なら何も怖くないね!』


 その時は意味が分からなかった。

 ただ、あの子とはずっと一緒にいるものだと、そう思っていた。


 でも、あの子はもういない――

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