フィクションか、ノンフィクションか、わからないような作品です。つまりはリアリティがありました。息遣いを感じるとでも言えばいいでしょうか。だからこそ、伝えたいメッセージもきちんと伝わってきます。読み手を選ぶ文章や設定だとは思いますが、一度読んでみてください。ただの思春期の1ページのはずが、一生忘れられない記憶になることは、誰にでもあり得ることですから。
物語に閉じ込められた熱気と叫びが、質量を持って立ち上ってくる。会ったばかりの相手と魂を触れ合わせた夜の記憶。一時は孤独であろうとした"僕"が、運命を抱えた"僕"が、どうか穏やかに生きられますようにと願わずにはいられない。