地球上に存在する人類や動物など生きとし生けるものが死した後、最初に向かうのが冥界(めいかい)という死後の世界である。
泣く子も黙る最強の裁判官、閻魔大王(えんまだいおう)が統べるその世界は、閻魔大王自身が発足させた政府、その名も『冥府(めいふ)』が定めた秩序により安心と安全が保たれていた。
そして、警備やレスキューなど幅広く兼務する軍の屯所や日本で言うところの『国会議事堂』と、冥府が建てた施設の一つに『冥府役所(めいふやくしょ)』がある。
冥府役所は、永遠の幽霊(エターナルゴースト)化した人類や動物など生きとし生けるものを、しかるべき場所へ導くための玄関口であり、永遠の幽霊が霊界に渡るための各種手続きを行ったりと、総合窓口の役割も担っていた。
それぞれ生活に必要なことから害虫駆除まで幅広く扱う、さまざまな窓口がある中で、冥界の端、霊界へと繋がる別館二階の窓口裏で、冥府ゴースト保護課は今日も、小忙しく活動中である。
冥府ゴースト保護一課で働く空島檸檬(そらじまれもん)はある日、現世で見廻(みまわっ)ていた際に見つけた対象者を挟み、同期の甘夏悠太(あまなつゆうた)と口論。一緒に見廻りをしていた先輩役人が仲裁に入ったものの主張の違いから、二人は喧嘩別れをしてしまう。
憂鬱な気持ちのまま、先輩役人と一緒に見廻りをしていた檸檬が、冥府役人になる前からゆかりのある戸田誠一(とだせいいち)と対面。
戸田は生前、交差点の横断歩道で、下校途中だった高校一年生の檸檬と甘夏の二人を轢いた車の運転手であった。
檸檬と戸田が対面を果たしたことで、悪霊が絡む事件が発生。現場に颯爽と姿を見せた冥府ゴースト保護一課長、加苅幸光(かがりゆきみつ)氏により檸檬は命を救われる。
冥府ゴースト保護二課長のローレンス氏が営む『Blue Rose Café(ブルーローズカフェ)』にて上司の加苅一課長から事情を聞いた檸檬は仲直りをするため甘夏と話をするのだった。
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