蠱毒たる私に、孤独なる死を

憑弥山イタク

蠱毒たる私に、孤独なる死を

 人を呪わば穴二つ

 さすれば私は穴だらけ

 穴から零れる血も蜜も

 損得生じぬ無味無臭


 苛み続けた生首共も

 蚯蚓ミミズの蠢く泥さえ呑みて

 命を乞う事赦されず

 穴から零れし笑みを見る


 私を苛み続けた故に

 私の手腕に殺められ

 殺めた私を逆恨み

 聴こえぬ呪いを私へ投げる


 呪いにまみれし此の身体

 宛ら蠱毒を垣間見て

 愛をば忘れた此の身体

 孤独な侭に死を望む


 至りし地獄は如何なるか

 吊るした縄に、背を向ける

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蠱毒たる私に、孤独なる死を 憑弥山イタク @Itaku_Tsukimiyama

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