五行術(≒魔法)が国を支える世界で、禁忌とされる錬丹術(≒科学)を使う青年・遼星。
その秘密を皇子・志翠に見抜かれ、二人が手を組んで宮廷の事件を解決していく。
この導入で、面白くないわけがありません。
火の鳥、霧の森、夜に響く龍の声。
幻想的な不思議の数々が二人によって解き明かされていくのですが、謎がほどけたあとも、その美しさが失われないところがとても好きです。
真相にたどり着く納得感と、その余韻。両方を味わえるのが、この作品の大きな魅力だと思います。
遼星と志翠の距離感も本当に素敵でした。
秘密を抱えた術師と、掴みどころのない皇子。
最初から素直に信じ合うわけではなく、互いに探り合い、利用し合いながらも、事件を重ねるごとに少しずつ相手の本質へ近づいていく。
何気ない言葉や態度の変化でゆっくりと描かれる関係性の変化が、本当にお上手なのです……!
番外編では本編の事件だけでは見えにくかった視点や、張り詰めた時間の合間にある日常が丁寧に描かれていて、キャラクターたちへの愛着がさらに深まりました。
謎がほどけたあとに、さらに余韻を味わえる。作品の構造自体が作中の謎解きとリンクしているようで、とても素敵です。
中華風の世界観、怪事件の謎解き、火と光の美しい描写、そして少しずつ近づいていく二人の関係性。
どれか一つでも惹かれるものがある方に、ぜひ読んでほしい作品です。
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錬丹術。科学的な原理を用いた術式ですが、この国においては禁忌とされている。
魔法に近しい、五行術を扱えるものが、国を統べるという価値観で蔓延っているから。
事故により父である前代皇帝と、兄を亡くした孤独な皇子、志翠。
彼は街で、炎を操る少年を見つける。
まるで五行術のような魔法の正体は、禁忌と定める錬丹術。
操るのは、遼星。彼の正体がバレてしまうと、処刑も免れない。
国を統べる方針、悲しい事故、孤独な二人の少年にはそれぞれの思惑があって。
まだ信じ切れないかもしれない。それでも、どこか寄り添ってあげたい。信じたい。
そんな揺れる心が丁寧に描かれたブロマンスこそが、一番の見どころだと感じます。
宮廷で、ある事件が起こる。それは『火の鳥』事件と呼ばれ。何もない場所に突如、炎が燃え上がり、炎が鳥のように見える怪事件だった。
賭場で働く少年、遼星は禁忌とされる「煉丹術」を使い、謎の男、志翠に見つかる。
煉丹術は国では御法度。志翠に宮廷の事件を解明することを求められ宮廷へと向かう。怪現象を科学という煉丹術で暴いていく──というお話です。
みどころは、怪事件を解明するところではありますが、その裏に潜む、少年、遼星の真意。志翠に協力をする中で本位は失踪した師匠を探すこと。
師匠の手がかりは宮廷にあり、志翠に内緒で動く遼星。師匠を探すだけの目的なのに宮廷の過去の事件と関わっていく経緯がとても魅力的なお話です。
そして志翠の謎めいた過去。事件を介して二人の友情が芽生えていく過程と駆け引きのやりとりが、兎に角、面白い。
第一部まで完読です。ここまで読んで、そうだったのかっと思い、まだまだ続きが気になります。
オススメ作品です。