立入禁止花畑

 つい先日綺麗な花畑を見つけた。綺麗な花畑に吸い寄せられるように毎日毎日通い詰めた。

 私は連日見つめるその花たちに魅入られてもっともっと近づいてみたくなった。もっともっとその存在を近くに感じたくて。そうして私はついに花畑の土を踏みしめた。

 その瞬間花たちは一斉に薄暗く枯れた。まるで私の存在があの花たちに猛毒だったかのように、一瞬で。

 私は絶望して、失望した。そのまま引き返そうと振り返ると。もう帰り路は無かった。どこまでも枯れ果てた花畑が広がっている。どこまでも。

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