第4話 精一杯の命乞い
「ちょっと待ってください!」
考えなしで咄嗟に出た言葉だった。
「自分を殺す前にお話させてくれませんか?」
「アンタ、どういう立場か──」
「分かっています!だからこそ、です……」
杖を持った女の言葉をさえぎって続けた。
「自分たちはついさっきここに来たようで、
正直今がどんな状況か分かっていません!」
「そりゃ、そうだろうな。」
「だけどあなたたちは自分がバケモノに襲われてるところを助けてくれました。
命の恩人です!」
できるだけ大きい声で必死にアピールする。
「だからこそ最大限あなたたちの役に立ちたいんです。
もし自分が力になれるなら喜んで手を貸します!
だからどうか話だけでも……」
体を縛られながらも地面に頭を擦り付けて最大限の敬意を示す、社会人になってから身につけた最上級の「土下座」の姿勢をとった。
「そうだな……3つまでなら、質問を受け付けよう。」
社会人での情けない経験がこんな形で実を結ぶとは。
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