あたらよに待つ
日高仙平
すゑつかたの旅人
夕陽が沈んだ。
視界は闇で照らされる。
靴は擦り減った。
見えない風が脚を掴む。
それでも歩き続ける。
刈安の布に包まれた景色を頼りに。
満月が転がる。
その音に目蓋が立ち上がる。
枝が触れた。
脈は甘味に満たされる。
歩幅が少し狭くなる。
漆黒の布は星に満たされる。
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