竜星のセレン《最強の魔女は自由気ままに世界を巡る》
冰藍雷夏(ヒョウアイライカ)
第1話 エクスプロージョン!!
ここは竜と魔法と剣の世界。『オリフィス』。
そして、この世界で最強の魔女の名は――――
「エクスプロージョン!」
「「「キャアアア!!」」」
「キュルエール先生ー!セレンさんがまた教室内で大魔法を!」
「またですか! ティファレントさん! 貴女という人は、毎回毎回。多大なる被害を我が学園にもたらしてくれますね!」
ドガン!と火魔法の最大火力ある『エクスプロージョン』を、イリアス魔法学園の実験室で放った女生徒。
「うぅぅ……頭が痛いですね。あちゃ〜! また実験失敗しちゃいました……すみません。皆さん」
黄金色の長い
この女生徒こそが。この世界。竜と魔法と剣の世界。『オリフィス』で
「……教室に大穴開けちゃいましたね。いったい誰の仕業でしょうか?」
「「「セレンさんです!」」」
「ぐうぅ!! 廊下に立ってなさい! セレン・ティファレント!!」
「……あぃ。シュミマセン」
セレンは、魔法実験学の教師。キュルエールの言う事を素直に聞くと、廊下へと出ていく。しかし、セレンの顔に反省の色はない。
「実験室を直し終わったら、放課後は王都でスイーツ
後で自分の魔法で吹き飛ばした全てを直せば良いと、
「キュルエール先生〜! セレンさん。全然、反省してませんよ」
「あっ?!」
「ひぃ!」
「エヘヘ……スイーツ……巡り〜……エヘヘ……」
廊下も完全爆破されている為、全く反省しないセレンの顔は、オーククイーンの様に怒り狂うキュルエール先生に。バッチリと見られていた。
◇
授業が終わり。放課後わキュルエール先生が向かった先は理事長室だった。
それは勿論、最近になって世界最強になった自慢の教え子を矯正する為である。
《イリアス魔法学園 理事長室》
「ジルニア理事長! このままでは、セレンは、必ず
「……対策? また、何かやらかしたのかな? イリアス魔法学園が誇る世界最強の生徒が?」
スーツを着た金髪の少年に見える人物は、イリアス魔法学園の理事長ジルニア・バース。
今は優雅にティータイム中だったが。怒るキュルエール先生の出現により。その時間は終わりを告げた。
「ですから、セレンを特別視するから。あの子が
(シャキンッ! エクスプロージョン!!)
(((キャアアア!! セレンさんがまた、エクスプロージョンを放ちましたわ〜!)))
「……う〜ん。昔も今も、そんなに変わってないと僕は思うけどね〜? 怠惰になっちゃったの? あの娘?」
「はい! とてもとても怠惰です……先程も、セレンが爆発させた実験室を修理魔法で修理させた際も」
(シュ〜ン〜ショイ! 終わり。終わり〜! それじゃあ。キュルエールお姉ちゃん。私はこれにて失礼します。イリアスの王都でスイーツを食べに……)
(……行かせないわよ! セレン!!)
(がはぁ?!……キュルエールお姉ちゃん。何で私のお腹にパンチを?……ガクッ)
「なんて、呑気な事を言っていたので。縛り上げて、理事長室の廊下に立たせています」
「立たせ……凄いね。世界最強にお腹パンチで倒しちゃうなんてね。君こそが真の世界最強かい?」
「あの子が油断して学園生活を送ってるだけです!」
「怠惰ねぇ。う〜ん。なら……こういうのはどうかな?」
「……あの子を矯正する良い案があるのですか?」
◇
最近、怠惰なセレンに対して話し合われている一方。その頃のセレンはというと……
「チョモランマのケーキ食べたいですね〜! プリラの実を使ったタルトタタンも捨てがたいですね……エヘヘ」
この後、王都で食べる予定のスイーツに想いを
そんなだらしのない顔をしていると。理事長室の扉が開き中から笑顔のキュルエール先生が姿を現した。
「セレンちゃん〜! ジルニア理事長が及びよ。中に入りなさい〜!」
「エヘヘエヘヘ………?……キュルエールお姉ちゃんがセレンちゃん呼び?」
謎に笑顔なキュルエール先生に疑問に思いながら。セレンは何も考えず。言われるがままに理事長室へと入って行く。
「し、失礼します。ジルニア先生」
「うん! こんにちは。イリアス魔法学園の若きホープさん」
「は、はい! こんにちは!……えっと。私、何でここに呼ばれたんですか?」
「うん。君が最近、怠惰になったって聞いてね。授業中は大好きなスイーツの事ばかり考えているんだってね?」
「へ?……い、いや〜……な、なんの事でしょうか?」
「そんなにスイーツが好きなら、世界にあるスイーツの材料とかにも興味があるよね?」
「……材料?」
「うん!」
セレンは困惑していた。スイーツが好きだけど。何でその材料が話題になるのかと。
「キュルエール先生。セレンさんにあの紙を渡してあげて」
「はい! ジルニア理事長。セレンちゃん! 頑張りなさいね! 貴女がこの旅で世界各国を
「……あい?」
キュルエール先生は何も分かっていない。セレンへと1枚の紙を手渡した。
「イリアス魔法学園から。竜星の魔女 《セレン・ティファレント》に特別依頼だよ。その紙の中にある材料を世界を巡って探し集めてほしいんだ。最高のスイーツケーキを作る為にね」
「ふぁい?……最高のスイーツケーキを作る為に特別依頼………へ?……へえええ?!!」
「うん。よろしくね」
こうして、竜星の魔女の世界を
◇
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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◇
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