お題26:朝起きたら、枕元に「昨夜のあなたの行動について話があります」と書かれたメモと、正座している猫がいた。

「あー、体が重い……ん?」


 起き上がった俺の後ろに位置する枕元、そこには飼い猫であるクロが正座していた。その足元には『昨夜のあなたの行動について話があります』と書かれたメモ。


「え、なにこれ?」


 妙に味のある文字は、まさかクロが描いたものなのだろうか。昨夜の俺の行動、とあるが俺が一体何をしたというのか。


「……なあ、何か言いたいことがあるのか?」

「んなぁーお」

「喋れはしないんかい」


 文字は書けるけど、言葉はネコ語のままだった。これだと何が言いたいのかわからん。どうしたものか。


 悩んでいると、ネコはボールペンを持ってメモに追加で書き始めた。


「おぉー、本当に書いてるぞ。……餌が足りない?」

「んなぁ」


 要求は、なんともネコらしいものだった。書かなくてもどうにかわかりそうなもんだけどね。というか、餌って漢字で書けるのかよすご。俺より学力あるとか勘弁してくれよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る