お題22:隣の席の新人が“自称・未来から来た監査官です”と言い出したので、休憩室がざわついている。
とある会社の休憩室。俺は数分前の出来事を思い出して、大きなため息を付く。隣でコーヒーを片手に持つ同僚が話しかけてくる。
「な、なぁ。お前の隣に来た新人。大丈夫なのかよ?」
「大丈夫なわけないだろ……」
俺の隣の席に配属された新人。そいつがいきなり、とんでもない事を言いだしたのだ。
「僕は未来から来た監査官です。この調子が続くようだと、この会社は倒産しますよ」
最初の会話でいきなり、彼がやばいやつだと確定してしまったのである。周囲からの奇異なものを見る目が集まってしまい、俺もどうしたらいいかわからず放置している有り様だ。
「で、どーすんだよ。会社が倒産とかただ事じゃない事言ってたじゃねえか」
「俺もなんにもわかんねえよ……お前がクビになるのが先だって言おうとしてなんとかこらえたけどさ」
「そりゃ言えてるぜ」
しかし、彼の目は真剣だった。どこまで本気なのか、なぜ倒産することになるのか。俺は彼の事をまだ何一つ知らない。
「とりあえず、今は普通に研修を受けてくれてるみたいだし。まずは話を聞いてみるよ」
「会話になるといいな」
「やめて」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます