お題11:目覚まし時計を止めようとしたら、代わりに隣の住人を止めてしまった。

「んん……もう朝か……」


 昨夜ゲームにハマっていたせいか、瞼が重い。目覚まし時計のアラームを止めようとしたのだが、体が思うように動かない。


「って、え?」

「……」


 目を開けると、何と俺の布団の中には隣に住んでいる転校生のケイトがいた。俺が寝ぼけて彼女を布団に抱き入れてしまっていたらしい。顔を真っ赤にして固まっている。


「ご、ごめっ!?」


 慌てて布団を抜け出そうとしたのだが、彼女は混乱しているのか、俺の背中に両腕をがっちり回したまま離してくれそうにない。


「ア、アノー。……ワタシナラ、コノママデモイイデスヨ?」

「え、え……」


 いや、このままだと学校に遅刻しちゃうから。そう言いたかったのに、彼女の照れ顔を見たら言えなくなった。


「あー……じゃあ二度寝、する?」

「! イエス!」


 こうして、無事遅刻しました。

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