お題7:冷蔵庫を開けたら、賞味期限が私に説教してきた。

「ねえ、何で怒られてるかわかる?」

「ごめん、何一つわかんない」


 僕は今、開いた冷蔵庫の中にある賞味期限に正座させられている。これで察しろとか無理すぎない?


「既に私が切れてる食品が三つもあるの! たるんでんじゃないの!?」

「私が切れてるってなんなの……」


 まあ言いたいことはわかったかもしれない。恐らく僕が最近自炊をサボっていたおかげで、賞味期限切れの物があったのだろう。


「というわけで、今あんたの手にあるコンビニ弁当は没収! 私の言うレシピ通りの物を作りなさい!」

「は、はーい……」

「ちゃんと分量通りに作るのよ!」

「お母さんみたい……」

「あんたを育てた覚えはないわよ!」


 そりゃあ日付に育てられた覚えは無い。とにかく言う通りにしないと食材を出させてくれない、つまり兵糧攻めにあうという事だ。


「まあ、おかげさまで自炊する回数は増えてるんだけど」

「何か言った?」

「いえ、なんでも」

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