俺はこの世界が嫌いだ!
星紫
第1話 クソゲーすぎる
俺はこの世界が嫌いだ。なぜなら、ここはあのクソゲーの世界だから。
「チッ。何だよ、コレ。課金しないと無理ゲーだろ」
俺は舌打ちをしながらゲームに取り掛かる。え? やめればいいのにって? 暇すぎてこれしかやることないんだよ。
「この課金アイテム、高すぎだろ。何で二万もするんだよ」
課金アイテムがめちゃめちゃ高い。
「ていうか、この敵、強すぎん? ラスボスと同じくらいのHPなんだけど」
あー、本当にイライラする。
「あ、充電切れた」
しゃーねえなあ。コンビニで弁当でも買って食おう。俺はコンビニに向かう。昨日もコンビニ弁当だった気がするけど気にしない気にしない!
プー!!!
「え」
ガシャン!
は? え? 何が起こった??? 体は痛いし、起きれないし……徹夜したせいか⁉ 疲労の蓄積みたいな? ど、どういうこと? 俺は重い体を何とか少しずつ動かして辺りを見る。まあ、そんなに動けてないんだけど。事情は分かった。どうやら俺はトラックに引かれたらしい。頭、真っ白になるし、きっと死ぬんだろうなあ。俺の人生、最悪だよ。クソゲーをやってたらトラックにひかれました、みたいな? 次こそは最高の人生歩みてえよ……。
「起きて、起きて。起きなさいよ~!」
「わひゃあ⁉」
変な声出た。目の前には金髪の美少女。え、何これ何これ⁉
「ほら、ご主人様に挨拶は⁉」
「え、え? お、おはようございます……?」
「ふん。早く仕度しなさい」
美少女は去っていく。え、どゆこと?
「ちょっと、遅いわよ! 朝食は⁉」
と、とりあえずあの美少女がご主人。うん、どゆこと?
「い、今お持ち致します!」
大丈夫だ、俺は一人暮らしだったから飯を作るのは……できねえええ!!! 毎日コンビニ弁当だったあああ!!!
「何を突っ立てるのよ! 早くしてちょうだい!」
「あ、あの、えっと、ご主人様……?」
「何よ!」
「料理ができません……」
「は?」
しばらくここにいて分かったことがある。俺はどうやら金髪の美少女、レリーナ様の奴隷らしい。何でだよ⁉ 俺は奴隷のアルス。十歳。十歳⁉ え、俺は三十代なんですけど⁉
「アルス! 早くしてよ!」
「も、申し訳ございません! 今すぐに!」
今、俺は風呂掃除をしている。
「終わりました!」
「あら、どんな風に……え、綺麗すぎないかしら? 昔はあんなに汚かったのに」
あ、そうなんすか? 一人暮らしだったもんで、掃除は得意なのだ。
「あなたって、もうすぐ十一歳よね」
「あ~、そうです……?」
「なんで疑問形なの? まあ、いいわ。あなた、来年から学園に通いなさい」
はえ? 三十代のおじさんが学園に入学するんですか?
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