「自分とは何だろう?」という素朴で深い問いを、日常の感覚と言葉でやさしく紐解いていく短編エッセイ集です。
タイトルどおり、自分という存在を正面から定義しきろうとせず、分からなさごと抱きしめていく姿勢に安心感があります。
哲学的なテーマを扱っているのに、語り口が軽やかで、構えずにサクサク読めるのが魅力ですね。
自己価値、自尊心、思考と存在……現代人が一度は引っかかる問いが並びます。
そして、文章はやさしく、ときどきユーモアもあり、読み終えたあとにほんのり温かい。
深く考えたい人にも、考えすぎて疲れている人にも、ちょうどいい距離で寄り添ってくれる作品です。
気負わず読めて、ふとした瞬間に思い返したくなる――そんなエッセイ集でした。