神憑り

綴屋千瀬

神憑り

彼は神様だ。


人気者で、明るく、賢い。

暗闇に手を差し伸べては誰彼構わず引きずり出す。

私はずっと嫌いだった。彼の明るさに火傷した。けれど構わず彼は笑い、人を灼く。


三年経ち彼は疵を負うことも許されなくなった。


人気者。

明るい。

賢い。

ラベルを重ねてもなお、彼は嬉しそうに言った


「俺を必要としてるんだ。裏切りたくない。」


笑顔を絶やさず、周りを照らす。

まさに神だった。彼は、雲の上の人になった。



彼は神様だった。それに、間違いなく狂気だった。

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神憑り 綴屋千瀬 @tuduriya_

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