読んだことないけど春樹風エッセイ【幻想喫茶の猫】

冬月 真人

スーパーへ玉子を買いに

卵は食材のマルチタスクだ。

殻の中に宇宙の全てを内包するリトルコスモ。


キミは知らない街でボクの知らない朝に生まれた。

そう、ボクはキミの生まれた街のことを何も知らない。

そしてキミが生まれた朝の陽射しの柔らかさも、ラジオからどんな曲が流れていたのかも、ボクは何も知らない。


でもそれでいい。

ボクらはスーパーの片隅でお互いを知らずに出逢い、キミが内包する宇宙をボクのキッチンで解放すればそれでいいんだ。


それは誰が好もうとも好まざるとも、ね。

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