大蛇

(蛇気?なんだそれ?)


(正式には蛇の毒気というのじゃが、憑りつかれた人間は負の感情を増幅されて悪意に支配されてしまう、ヤツはその悪意を利用して花嫁達を狙っているのじゃ)


(ってことは、狩屋は蛇気ってのに操られてて冬子に対して、何かしらの負の感情があって危害を加えようとしてるって事か?)


(そういう事じゃ、そしてそれこそが彼女に迫る‘‘不幸‘‘の正体じゃ)


(……)




‘‘不幸‘‘というワードを聞いた瞬間、体に緊張が走る。


 つまりは狩屋の悪意から冬子を護れなかったら彼女は最悪…、そう考えただけで怒りが湧き拳に力が入る。


 そんなことを許す訳にはいかない、彼女は必ず俺が護る。




(とりあえず‘‘不幸‘‘の正体はわかったが、それなら狩屋に取り憑いてる蛇気ってのをなんとかしないといけないんだよな?どうすればいいんだ?)


(‘‘神気‘‘を使うのじゃ、神気とは花嫁と契りを交わすことで生まれる力…まぁ簡単に言えばラブパワーじゃな、その力で蛇気を祓うのじゃ!)


(契りを交わす?)


(そうじゃ!接吻を交わすのじゃ!)


(ファッ?!)




 ラブパワーのついてツッコむのは置いといて…マジかよ…キスをしないといけないのか…まだ付き合ってもいないのにどうやってキスしろというんだ…不意打ちでするとかは出来ればやりたくないしなぁ…まぁでもそこはなんとかするしかないか…それとは別で気になる事がある。




(ヤツって言ってたけど、狩屋を利用してる黒幕みたいなのがいるのか?)


(お主の言う通り蛇気を憑依させる者がいる。その名は"八岐大蛇"お主も聞いた事があるじゃろう。)


(八岐大蛇って…日本書紀にでてくるあの?!え…でも神話だとスサノオが討伐したって…)


(今世ではそう伝わっておったな…実際は八つの頭を分けて封印していたのじゃ、そしてその封印が数日前ある人物によって解かれた。)


(ヤバいじゃん?!、でもなんでオロチは冬子達を狙うんだ?)


(封印はまだ完全には解かれてない、封印を施す際の楔となったのが8人の娘達じゃ、彼女達はその子孫であり生まれ変わり…そしてその娘達という楔を壊す事で奴の封印が完全に解かれる)




 そういうことか…だから7人の娘達を俺に護れと言ったのか…あれ?…おかしくないか?八つの楔だから8人いるはずだよな…でも7人なのはなんでだ?




(なぁ、本当に7人なのか?もう一人いるんじゃないのか?)


(ああ、それはお主じゃ)


(オレェ!?!?)


(そうじゃ、7人の花嫁とお主を含めた8人で婚姻の儀を行い再度封印を施すのじゃ)




 俺自身も楔なのか…俺前世女の子だったんだ…てかなんか結構壮大な話になってきたなぁ…まぁ今はそんな事気にしてる場合じゃない、冬子を護る事に集中しよう。




(わかった。任せてくれ)




 そう返事をして俺は教室までもどった





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 


 午後の授業も終わり、冬子の教室へ急ぎ彼女と合流した。


 二人で教室を出ると狩屋がこちらに向かってきているのが見えたので急いで教室を後にした。




「アンタの言った通り本当にきてたわね…」


「だから言ったろ?ああいうタイプはしつこいんだよ。義姉の時も酷かった。」


「本当にその通りね…」




 義姉さんの時は確か、相手が金属バット持ってきてなぐられたんだよなぁ〜、もちろん怪我はしなかったんだけど。




「帰りは早めに迎えにいくよ。9時前くらいでいいか?」


「うん、そのぐらいの時間でお願い」




 そうして彼女をバイト場まで送り届け別れる。


 本当は一度家に帰って義姉さんの夕飯を作らなきゃいけないが、今日天子と話した事もあり出来るだけ直ぐ向かえるようにしようと思い、義姉さんには悪いが今日は出前を取ってくれと連絡して冬子が終わるまで近場でぶらつく事にした。




 そんな訳で歩いていると見覚えのある人物がいた。




「茜先輩?と誰だ?」




 おそらく大学生くらいの男と話をしているようだが、どうも先輩は困っているように見える。


 おそらくナンパか何かだろう…彼女は冬子がお世話になってる人だ、困っているなら放っておくわけにはいかない、そう思い彼女に声をかける為に近づき声をかける。




「ねぇ~少しだけでいいからさ?カラオケとかいかな~い?奢るからさぁ」


「え…い、いや…ちょっとそれは…」


「茜せんぱ~い!!」


「あっ…えっと…」


「チッ…なんだ男いんのかよ」




 チャラ男は舌打ちをするとそそくさと去っていった。




「あ、ありがとうございます…えっと冬子ちゃんのお友達の神付くんだよね?」


「そうです!先輩大丈夫でした?変なことされなかったですか?」


「なにもされて無いから大丈夫だよ」


「それならよかった…先輩になんかあったら冬子の美しい(以下略)を食らうトコでしたよ~」


「アハハ!冬子ちゃん怒るとこわいもんね~」


「そうなんすよ~」




 その後、先輩がお礼をしたいからなにか奢らせてと言うので、それならという事で近くのファミレスでご馳走になることにした。


 店に入ると窓際の席に案内されて座ると二人で注文をしてご飯が届くのを待つ。


 そういえば先輩は狩屋の幼馴染だったよな?アイツについて少し聞いてみよう。





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幼馴染を事故から庇ったら神様にハーレムを強制された!?~7人の花嫁御料~ 異音 @fuyuko1218

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